エイプリルフールの話
1日過ぎてしまったのですが、桜やお花見ネタは被るという事なので今回はエイプリルフールの話をしたいと思います。
諸説ありますが、大元を辿っていくとエイプリルフールの元ネタは古代メソポタミア文明のとある男の話に行きつくと言われています。名前は残っていないのですが、シュメール人のとある男はその時代の人間には珍しく、住む街を時々離れて方々を巡ってきたかと思えば、帰ってくるなり旅先で起きた事を大袈裟に話したり、空想のような出来事が起こったと話していました。皆彼の話をただの”お話”として楽しみ、本気で取るような人間はいなかったそうです。
ところがある時、メソポタミアの統一を目論むアッカド人の軍勢がその男の暮らす街を目掛け進軍してくる様を目撃してしまいます。男は大急ぎで街へと戻りその事を皆に伝えましたが、誰も本気で信じてはくれず、それどころかさすがに冗談の度が過ぎていると街の人々は怒りだしてしまったそうです。男はそれでも街を救うためになんと1人でアッカド人の軍勢の前に現れ、ただの怯えた一般市民を演じアッカド人の軍勢の道案内をする捕虜として捕らえられます。
男は嘘の道を案内し、時には荒れる川にかかる危険な一本橋を通りアッカド人の重装歩兵を濁流に巻き込み、切り立つ断崖を通り軍勢の兵糧や武器を谷底に葬り去り、遂には危険な猛獣の蔓延る荒野でアッカド人達を野営させ、男諸共アッカド人の軍勢を全滅させたのでした。男は自分の冗談、嘘を真のように話す力で街を守り切ったのです。
そして、姿を現さない男を心配し始めた街の人々の元に男の活躍の噂が届いた時、彼らは最後に男にした仕打ちを悔い、また彼の勇気や話術を称えて男が亡くなった現在でいう4月にとても楽しい空想の話やおとぎ話を互いに聞かせ合い楽しむというお祭りを開くようになりました。そして現在その風習を大変面白く思ったメソポタミア文明の研究者が現在の形で市民に流行らせた、というのがエイプリルフールの成り立ちだと言われています。
この男のお話は形を変えて伝わり、紀元前のギリシャではおおかみ少年としてイソップ寓話に記されていたり、現代でいうとONE PIECEのウソップという登場人物が最初に村を守るエピソードの元ネタとなっているというのは一部ではよく知られた話です。
まぁ、全部嘘なんですけど。